月見とは

【読み:つきみ】

仲秋とは陰暦八月の呼び名で、仲秋の名月というのは八月十五日の満月をさします。今の暦では九月下旬から十月上旬に輝く月、農作の穫り入れも終わり新しい作物を飾って月にお礼をします。月の運行は自然現象に密接なつながりがあり、月の満ち欠け、光り具合は、自然を知るひとつのよりどころでした。神、仏への供物をのせる三方に、月見団子をのせ、新作物、そして新しく花の出たすすきに、秋の七草を添えて観月します。この秋の七草やすすきは、秋のきものの柄としてなくてはならないもので、真夏にいち早く秋を感じるため月見の様子を模様にしたきものを着るのが粋とされていました。
満月を愛でるときは、海、山、里のものを供えて月に五穀豊穣を祈ります。お芋や、お米の粉でつくった月見団子など初物を供えるのが習わしです。十三夜は「後の月」といい、旧暦の九月十三日、今の暦では十月の終わりか、十一月の初旬にあたります。栗と豆を供えて、あとで皆でいただきます。少し肌寒いので、紬のきものを着て集まります。
月にはいろいろな名称があります。春がすみがかかって、もうろうと柔らかい感じのおぼろ月、天高く冴え地上を明るく照らす長月、また日が暮れてからわずかの間、西の空にはかなく現れる初月、新月、夜明けまで空に残る有明月、十六夜は、陰暦十六日に、いざようようにして出てくるのでこの名がつきました。陰暦八月二十三日の真夜中に出る二十三夜の月は、名月の最後として愛でられています。

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