興福寺金襴とは

【読み:こうふくじきんらん】

名物裂(ぎれ)の一つです。極古渡り(ごくこわたり)[=14世紀足利義満ごろまでの渡来品。おもに、中国の宋、元代のもの]の金襴です。名物裂中の大名物として貴ばれています。
古代紫色の極細の糸を用いた精緻(せいち)な綾地に石畳風の陰陽文を地紋とし、金箔(きんぱく)で火竜文を宝珠形に織り出していますが、今は、金箔は、ほぼ剥落(はくらく)し、漆があらわれています。
製織年代や、舶載の事情などは明らかではありませんが、ごく初期の金襴であると思われています。また、銀襴裂も伝わっています。

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