紅花紬とは

【読み:べにばなつむぎ】

山形県米沢市で生産される絹織物で、紅花らとれる染料で染めた先染めの真綿糸や座繰り糸を用いて織る先染め織物です。 紅花染めは草木染の中でも色の定着が難しい染めといわれています。また、色がさめてしまう退色も激しいので、思い通りの色合いに染めるのが非常に難しいそうです。紅花からとれる染料のうち、99%が黄色で、赤はわずか1%に過ぎません。一端の着物を紅に染めるには90~100万輪もの華が必要とされる、赤としては非常に貴重な染料です。

米沢藩では収める年貢の一部に、一定の米や漆、紅花、青苧、真綿などの特産品の買い上げ代金をあてる方法が採られていたため、紅花も藩の買い上げ制度がありました。紅花は米の100倍とも、金の10倍ともいわれるほど高価なものだったようです。

紅花で染色された糸は、太陽光線によって薄く柔らかいピンク色に発色します。色の出具合は気温や湿度などの条件で変化し、簡単には望む色になりにくいといわれています。紅花から採れる染料では、紅の他に黄色やオレンジ色、ピンク色などに染めることができます。また、媒染剤によってはグレーや緑色などにもなりますし、黒紅花とよばれる黒色も出すことが可能です。 紅花紬はその色の柔らかな感じと暖かな印象、素朴な風合いが好まれています。

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