覆盆子裂とは

【読み:いちごぎれ】

名物裂(ぎれ)の一つです。数種ありますが、前田家伝来の通称『菊いちご』が有名です。うす茶の錦(にしき)地に長円形の花文様を白、藍、緑、黄などで、それぞれ横一段ずつ織り出しています。地と文様とで、糸の太さや撚(よ)りを変え、数段ごとに筋を入れ、さらに、華麗な配色によって、文様の単調さをなくしています。中渡り(なかわたり)[=1527年ごろ(永正・大永)までの渡来品]のもので、製織地は、不明です。名称は、花文様をいちごに見立てたものかと思われます。

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