唐衣とは

【読み:からぎぬ】

女子正装の表着(うわぎ)です。袷(あわせ)仕立ての上半身短衣です。
730年(天平2年)、礼服の表着に選定されました。これを「背子」と書き、当時は袖のない衣でした。平安時代以降、「唐衣」と書き、袖をつけ、「唐衣」と「裳(も)」を合わせて、「物具(もののぐ)」とよびました。
「唐衣」は、前身丈と袖丈が同寸で、後ろ身はその2/3の丈で、欠腋(けってき)[=袍(ほう)の両袖の腋(わき)が縫ってないもの]、袖幅が狭く袿(うちき)の袖が出ます。垂領(たりくび)[=衿の上前と下前とを斜めに打ち合わせる着装をいう]は外に折り返し、後ろ裾は「裳」の中に、前裾はそのまま脱ぎ垂れて着用します。
地質は、ふたえ織物や綾(あや)などで、色目は、紫と紅を禁色(きんじき)とし、文様は、亀甲や花菱(はなびし)、七宝繋ぎ(つなぎ)など、階級や季節、袿に合わせて決められました。「唐御衣(からのおんぞ)」ともいいます。

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