桐生御召とは

【読み:きりゅうおめし】

桐生で生産される御召(おめし)という絹織物です。御召とは「御召縮緬(おめしちりめん)」の略で、徳川第11代将軍家斉が好んで着用し、「将軍家の着物(御召料)」としたことから、「高貴な方の御召物」を略して「御召」という名がついたといわれています。 御召は、精練して染色した絹糸に、1mの間に2,300回~3,000回の撚りをかけ、右撚り・左撚りの2種に糊付けした緯糸(よこいと)を用いて織られます。湯通しして糊を落とすと、撚りが戻り、縮み(細かいしぼ)が生まれます。一般的な縮緬は織り上げた後に糊を落とす(精練する)ために、撚りの戻りによる表面は均質でさらさらな生地になりますが、御召の場合は先に精練しているため、しゃり感があります。光沢、風合いがよく、先染めの絹織物においての高級品とされます。

桐生は古くから絹織物の生産が盛んで、徳川家康に旗絹を献上したことから、後に天領となりました。特に帯地と紋織御召が代表的で、「西の西陣、東の桐生」と並び称されるほどです。 代表的な桐生御召のひとつとして、矢羽根絣があります。他にも数々の紋織御召が生産されています。

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