織部緞子とは

【読み:おりべどんす】

名物裂(ぎれ)の一つです。茶人古田織部愛蔵の緞子は数種あり、いずれも波間に漂う梅花を主題としますが、織り文様は異なります。本手[=典拠となっているもとの裂(きれ)]といわれるものは、藍地に流動する水と微妙に変化する梅花とを白茶であらわす古渡り(こわたり)[=15世紀足利義政ごろまでの渡来品]の上等のものです。また、類裂として、大名物松屋肩衝仕覆(かたつきしふく)[=茶器を入れる袋]に織部の選んだ緞子は、茶地にうす茶で青海波(せいがいは)に梅花を浮かべたものです。

関連するキーワード