髪置の儀とは

【読み:かみおきのぎ】

男女共にふぞろいだった頭を、数え年三歳で、男の子は髪を結うためにのばし、女の子は髪をきちんとのばすために整える、そのための儀式を「髪置の儀と呼びます。現在、東京では七五三の三歳の祝として組み入れられていますが、本来はまったく別々に行う儀式です。平安時代、将軍家と公家で世継の祝として盛大に行われていた儀式が、室町時代に一般庶民に伝わったもので、今でも城下町で盛んな行事です。 とくに熊本はこの行事が重視されているところで、数えの四歳で祝います。衣裳は、男の子は坊主頭に陣羽織、女の子はおかっぱに被布を着せます。この地方はいったん頭を坊主にして、それからのばしはじめるという習慣のようです。中に着るものはお宮参りのときに着た一つ身の掛着です。陣羽織を着た男の子の背には「背守り」をつけますが、それは必ず「裏干支」で、アップリケのような張り紋にしています。裏干支はその人の守り神であるとこの地方では信じられています。この祝着は母親の実家が贈る習わしです。祝日は十一月十五日ですが、十一月は一陽来復の月で十五日は満月ということで室町時代から決められていました。

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