被り物とは

【読み:かぶりもの】

頭部や、顔面を覆うものです。「冠」、「帽子」、「笠(かさ)」、「頭巾(ずきん)」、「手拭い」、「覆面」などがあり、時代、階級、地域、用途によって、さまざまに用いられます。
古墳時代の埴輪(はにわ)を見ると、ほとんどのものが何かの「かぶり物」をかぶっていますが、これが制度化されたのは、飛鳥時代からで、中国に準じた『冠位制度』をとり入れて以来、よほど身分の低い庶民以外は、必ず「かぶり物」をするようになりました。
「冠」、「烏帽子(えぼし)」は、公家、および、武家を中心の社会のもので、室町時代に月代(さかやき)[=武家時代、男子がひたいから頭の中央にかけて頭髪をそった部分]が拡大し、露頂[=冠をつけないで頭を丸出しにすること]するようになり、しだいに「かぶり物」をする場合が限られていきました。
「笠」は、旅や、雨よけ、日よけに、近年まで農村で使用されていました。「布の帽子」や「頭巾」は、近世に好まれ、発達していますが、「手拭い」は、これに代わるものとして、種々のかぶり方の工夫があります。安土・桃山時代に「南蛮頭巾」として、一時流行した「西洋の帽子」は、明治の『散髪脱刀令』とともに大流行しましたが、第二次大戦後は、子供や労働時の保護帽以外は、あまり用いられていません。

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