絹鳴りとは

【読み:きぬなり】

絹の布や糸特有の音で、すり合わせたときにするキュッキュッと聞こえる音です。きしみ音の一種で、絹にはフィブロインという繊維状のたんぱく質の一種があり、その摩擦によって絹鳴りがします。絹の繊維断面の形は三角形のようになっていて、すり合わせると繊維が引っかかりあって音がします。凹凸のないナイロン繊維ではこの音はしません。

絹糸でも、精練や加工の差で、絹なりのするしないが違ってくるといいます。よく精練した長繊維では絹鳴りがしますが、石鹸精練では絹糸の中に蝋状の物質が残るため、摩擦が減って、絹鳴りが小さくなるそうです。また、染色後に色止めの為の酸性の薬品を入れると絹の摩擦抵抗を上がり、絹鳴りがするとのこと。「絹鳴りするほど良い絹糸」というイメージがあるため、絹鳴りのする加工を施すことさえあるといいます。でも、「絹鳴りするほど良い絹糸」、「絹鳴りしないのは悪い絹糸」というのは勘違いだそうで、精練の程度や方法、使用する薬品等によって絹鳴りのする・しないは左右されるということのようです。

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