花兎金襴とは

【読み:はなうさぎきんらん】

名物裂の一つです。花兎と称する裂には数種類あり、名称のとおり、花と兎を織りあらわしたものです。ほとんどの裂では、花は作土文になっていて、兎は振り向いた形のものが多いです。兎と花樹を組み合わせた部分は、正方形に近いものであったり、花頭形になっているものもあります。いずれにしても、その組み合わせた部分が整然と列をなして配されているものが多いです。地色も縹地や紺地、萌黄地、茶地など種々あり、なかには、作土風ではなく、兎が右前足を上げて草花をくわえているものもあります。植物と動物という、静と動とを組み合わせる文様形式は古くスキタイに発し、中国で好まれたものです。

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