盂蘭盆会とは

【読み:うらぼんえ】

現在の父母、そして過去七世の父母のため毎年陰暦の七月十五日に、百味の食べもの飲み物を供え、百僧に供養するのが、梵語のウランバナからきた盂蘭盆会だという説があります。また祖霊を祭る供え物を盆に入れて供えたので盆といったのではないかという説もあります。さらには、正月が米の収穫を祝う祖霊祭なので、夏の祖霊祭は麦の収穫を祝うものともいいます。新暦ではだいたい八月二十日前後ですが今でも旧盆でするところが多いようです。 この盂蘭盆会の仏教行事は、推古天皇の頃からはじめられていますので、仏教行事としてももっとも古いものです。祖霊は墓地や山から帰ってくると思われ、仏迎えという行事があります。家の軒先に燈明をつけて道案内をするのです。そして見送るときは、水に流す場合は精霊流し、山に送るときは送り火を焚きます。京都の大文字焼は、精霊を送る行事で、町中の人が浴衣がけで心を込めて見送ります。鎌倉や箱根でも送り火は盛んです。盂蘭盆が終わると秋が近いということで、夏ものを整理しながら秋ものの点検をします。浴衣も白地のものは寒々とした感じになるのでもう手を通しません。 新盆の家では燈明をあかあかとつけて、関係者を呼び集め、まださまよっている霊をみんなで供養して早く楽にさせてあげます。盆には新しい履物をおろし、霊がきちんと目的地に歩いてゆけるようにという願いを込めて座敷で履いておりるという風習もあります。

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