披露宴とは

【読み:ひろうえん】

昔の披露宴では花婿と花嫁の並ぶ位置が今と逆です。上座を制にして左側が男性、右側が女性となっています。もっと前は向かい合いが多く、床の間を真ん中にして左側が男性、右側が女性でした。並び方が変わったのは、今上天皇のご成婚からです。西洋風の並び方を取り入れられたということですが、昔の並び方にはきちんとした理由がありました。神代の時代の、伊邪那岐と伊邪那美の神話(「婚のはじまり」参照)で、柱をまわるとき、女性は右から、男性は左からとありますが、左は右より位が上と解釈されていました。ですから日本は左を上位に考え、左大臣が右大臣より偉いのです。宮中の儀礼の中心である紫宸殿(ししんでん)は南に面し、左は東、右は西です。お日様は東から出て西に沈むので、東は上、西は下という考え方です。相撲の番付表でも東には強い人が来ます。 披露宴は本来お色直しの宴ですから、あまり格式ばらず、ご挨拶をする必要のある人はともかく、そうでない参加者は華やかな衣装で出席するほうが場を盛りたてるのに適しています。昔の三日目の披露宴は使用人にまで酒をふるまったといわれるほど無礼講だったのですが、今の披露宴は調度二日目の披露宴と考えて、厳粛な中にも賑やかな雰囲気を持った宴会にするのがいちばんいいように思われます。

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