下り雪駄とは

【読み:くだりせった】

江戸で上方製の雪駄をいいます。これに対し、江戸製のものを「地雪駄」といいました。弘化年間(1844~1847)以前は、とくに奈良県桜井辺で製造された、黒斑のある真竹の皮でつくった雪駄が江戸市中に出回っていました。しかし、弘化以降は、江戸製のものが好まれるようになりました。
「下り雪駄」の特徴は、裏革にハの字形に三ヶ所、つまり、左右六ヶ所を切って裏に縫って尻鉄(しりがね)をつけたものでした。それに比べて、他の雪駄は、緒が長く、表の幅も広く尻鉄は、小型のものでした。
おもに江戸の庶民や奉公人に使用され、弘化前後には、丁稚(でっち)だけがこの「下り雪駄」のばら緒[=竹の皮を縄になった鼻緒]をすげたものを用いていました。

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