日本刺繍とは

【読み:にほんししゅう】

日本刺繍は日本古来の刺繍技法で、絹の布に絹糸で刺していきます。帯やきものに施される刺繍に多く用いられます。 刺繍の技術は仏教とともに中国から伝来したもので、「繍仏」という、仏像を刺繍によって表したものが伝わったことが起源とされます。

日本最古の日本刺繍とされるものは、奈良県・中宮寺に伝わる国宝の「天寿国曼茶羅繍帳」という繍仏だそうです。推古天皇が聖徳太子の死を悼み、宮中女官に製作させたものといわれています。

平安時代には公家の装束に日本刺繍が施されたり、武家社会の鎌倉時代には武具へ刺繍したものもありました。以降、刺繍だけで模様をつくることから、染めに刺繍を入れる装飾も多くなり、江戸時代には華麗な日本刺繍は度々「奢侈禁止令」の取り締まり対象になるほど発展しました。

日本刺繍で使われる糸は4~12本の細い糸を束ねた撚りのかかっていない絹糸です。その絹糸に撚りをかけたり、複数の色を組み合わせたりして光沢や色合いを表現します。日本刺繍は、右手を生地の上、左手を生地の下に置いて、針を上下に受け渡し、刺し進めていきます。

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