名所旧跡文とは

【読み:めいしょきゅうせきもん】

茶屋辻や御所解き文が、架空の風景であったり、謡曲や物語、和歌にとりあげられた場所をテーマにして展開されたのに対し、江戸中期以後、名所といわれる実際の場所をテーマにした文様が現われました。
それは参勤交代などで人の移動が多くなったこと、伊勢参りのように旅行ブームがわき起こったことなどによります。江戸中期以降出版が盛んになった「名所図絵」や広重の「東海道五拾三次」などの影響もあります。細かな絵画風表現を可能にする友禅染の技法進歩もあったと思われます。
京名所、江戸名所、近江八景などが好んで文様の対象とされました。現代でも「五拾三次」にちなんだ文様などは、きものの粋な楽しみとして用いられています。

関連するキーワード

タグ「きもの」に関連するワード

タグ「友禅染」に関連するワード

タグ「江戸時代」に関連するワード